雨にけぶる花、花菖蒲ですが
ハナショウブは、よく水辺に、公園や掘割が名所になっている所に菖蒲園として植栽されています。
しかし花菖蒲は、わかりやすく言えば畑のようなところでも育ちます。鉢植えOKです。花菖蒲の展示会には小ぶりの鉢植えをかざります。もっとも筆者の所(写真)では、底の浅いプランターを使っていましたが今年は花が来ません。株は普通の体系になりましたが6月18日現在花はありません。おそらく昨夏(2023年)の40℃近い連日の猛暑で弱ってしまったようです。
ですから夏はもっとたっぷりと水をあげるべきでしたね。
何しろ毎年同じ育て方で目立った異常のなかった桜草も全くダメ。庭の中央にあった樹齢40年ほどの山桜が立ち枯れてしまったほどです。もうすぐまた暑くなります。対策を立てないと全滅しかねません。ここ30年間同じ場所で同じように育ってていたのに困りました。
花菖蒲も江戸からの伝統を汲んでいますから流通にどこか堅苦しいところがありますね。総本山的な肥後熊本、伊勢、江戸の三系統があります。熊本には花菖蒲保存会「満月会」があり,絶対的会則のもとに会員が結束しています。
満月会の会員は、譲り受けた株は必ず鉢植にし、苗、種子は門外不出という会則を守っています。そして公式の展示場での拝観では私語禁止、写真スケッチ御法度という厳しさです。
花菖蒲のほか熊本には肥後六花として独特の咲き方をする椿、シャクヤク、朝顔。菊、山茶花があります。
三系統の一つ伊勢花菖蒲は、三重県松坂の城下町で武士に栽培されていた松坂三珍花、(松坂菊、松坂撫子、松坂花菖蒲)の一つで、あまり外部には出ませんでした。外部には昭和になってから着目されたようです。
江戸系は主に江戸の武士に受け継がれていました。そして明治神宮に祀られた昭憲皇太后ご自愛の花菖蒲を神宮の池に移植することで発展しました。しかし神宮の池を離れることは少なく、たとえば池の手入れに参上する日本花菖蒲協会のボランティアにも分けたりはしないそうです。
どうしても流通が重たいですね。大正時代に肥後満月会の会員だった1人が会をやめ横浜で花菖蒲の販売を始めました。当然混乱がおきました。キチンとした特許などなかった時代でもあってか100年たった今でも問題は解決はしていないようです。
古典園芸を楽しむ同志という気持を共有してたおやかに花を楽しもうではありませんか。古典園芸の世界がなんとなく重たいのは困ったものです。
花菖蒲の名園をご紹介します。
1)堀川戸田公園(埼玉県さいたま市)約300種15,000株
2)伊勢原大山公園(神奈川県伊勢原市)約100種15000株
3)水元公園(東京都葛飾区ー三郷市)200種60,000株が咲く、水元公園サービスセン ター☎ 03-3607-8321
4)三重県菖蒲公園(三重県桑名市)約50種10000株が美しい池とのコントラストが見事
花菖蒲各所にありますありますので、またご案内します。
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