古典園芸 風蘭

樹上の貴婦人 風蘭

夕刻から濃くなる香

 風蘭(ふうらん、学名Neofinetia falcata)は、日本原産のラン科植物の一種です。可憐な花と独特な香りで知られており、古くから観賞用として栽培されてきました。手のひらに乗る小さい草花です。時に富貴蘭とも呼ばれ花の色形から特に珍重されるものがあり、高値で取り引きされています。しかし上部写真のような一般的なものは数百円でしょう。

 前衛的墨跡で知られる文人書道家榊莫山氏(1926-2010)は、子供のころからこの蘭に興味があり、大風の翌朝には近所の神社の大木の下などを見回って落下したものがないか探したそうです。 榊原莫山著「NHK趣味の園芸 フウラン 人と園芸」日本放送出版協会 などにその経緯がくわしく書かれています。

 ポスト(郵便受け)の上に置いたフウラン。筆者は横浜在住。

このままの格好で椿の伸びた枝につるして置き、冬もそのままにしておきました。肥料も水も計画的には与えません。ただ桜草(日本桜草)をやや大掛かりにやっていますので液肥(ハイポネックス1000倍)を与えた折り、手水を払う程度にかけました。効果があったかは疑問ですが・・・。

 風蘭は主に日本の暖温帯地域に自生しています。特に多くみられるのは本州の太平洋側、四国九州の山岳地帯や岩場などです。適切な湿度と通風を得られる環境を好みます。夜になると香りが高くなるようですが、どんな虫を呼び寄せているのでしょうか? 

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