大輪朝顔
夏の風物詩 朝顔。大きな花を咲かせるにはチョットした裏技的手法が必要
写真の花は16㎝くらいの大きさですが、20㎝超も充分ねらえます。
その種ですが江戸伝統の大輪の流れをくむものは、夏場各地で催される朝顔展示会会場で主催する朝顔同好会から購入するのがベストです。東京なら日比谷公園会場や靖国神社などになります。
もちろん一般の園芸店でも販売していますが、朝顔は種類が多くなかなか目的に合ったものが見つかりません。一粒500円程度のものが大輪という目的に近いかもしれません。ほかのものはもっとずっと安値です。
たねまき 用土 普通は苗床を作り、名札を立て間隔を保って撒きます。しかし発芽直後の根はデリケートで弱いものです。そこで筆者は9㎝径の黒いプラ鉢(一番安物)に一粒づつ直に巻きます。用土はごぐ普通の草花用培養土です。
そんな養分のある土に撒いたら種が腐ってしまうという提言を多くの人からいただきますが大丈夫です。失敗したことはありません。まず種にカッターナイフで傷をつけます。刃先を折りながれ使う例のナイフです。蒲鉾の板でもまな板にして種子の内部に水が染み込むように外側の皮を薄くそぐように切ります。あまり大きく切ると発芽した時双葉の先が切れていたりします。傷つけて種の内部の白いものが見えればそれでOKです。朝顔の種の皮は固く丈夫で、発芽しようと双葉がもがいているのにやぶれないことがあります。
30分ほど水に浸してからポットの土に1cmほどの窪みを作り種を寝かせ、土をかけます。栽培法の教科書には、種の向きとか深さとかいろいろ書いてありますが水を与えたとき浮き上がって地表に出たりしなければ大丈夫です。あまり深すぎると種が持っていたエネルギーを使い果たしてしまうような気がします。
さてここまでの作業を何時やるかですが、栽培教科書には五月の連休明けとか遅くとも20日までに、となっていますがこれは展示会などの日程が決まっている人のもので個人が庭先で楽しむ人のものではありません。
朝顔は、種まきから初花開花まで約二か月ですから7月最後の日曜、8月最初の日曜あたりに自慢の花をとなると、どうしても5月20日以前に上記の作業を済ませていなければなりません。朝顔は夏季の草花ですから日程としてはそうなりますが、実は雨が苦手で梅雨を乗り切るのに苦労します。ですからもっと遅く撒いて、梅雨をなるべく避けた方が楽です。
朝顔の花を大きく咲かせるには、蔓を太くし、株全体をずんぐりした体形に仕上げることが最も大事です。それには水分をコントロールして水を欲しがる根が鉢全体に張り詰めるように仕向けます。プラ鉢で4週間ほど育て本鉢(7号鉢)に植え替えるときには糸瓜タワシのような根張りになっていなければなりません。 本葉が5枚しっかり育った時が目安になります。
発芽したときは鉢底から水がにじむ程度に与えますが、翌朝にはどんなに好天でも30ccしか与えません。これを数日続け葉が増えてきたら少し増やします。この水やりですがここらから栽培者の感覚に左右されますが筆者は、最初から1000倍に薄めたハイポネックスor花工場を与えます。少しづつ濃くして本鉢に移すころは500倍くらいにしています。
しかし雨が降っても取り込んだりはしません。なぜなら光が足りないと徒長するからです。よく二階の庇まで伸びたなどという話になりますがあれは、根の量が不足しているか肥やし不足です。朝顔の株全体で光合成をして生存するバランスを取ろうとしていると考えます。大輪朝顔は、根、太陽光、肥料のバランスが良いと2メートルも伸びません。
このようにしっかりした根が出来てしまえば、あとは行灯支柱を使うか塀の上から垂らすかいろんな楽しみかたができます。本鉢には大きい目の骨粉油粕の団子を入れておくのがよいでしょう.。
30ccの水やり。これが一番気になるところです。好天の時は午後になると萎れてきます。「もう枯れてしまう」と判断したら少し与えますが、夜間には水が切れているようにしたいですね。水を求めて根が増えることを期待します。写真のようになったら植え替えですね。
筆者の師匠で大輪朝顔の名人と言われた森才氏は、雨を含んでしまった鉢を手に「底穴から掃除機で吸い出せないかな」などと冗談ながら真顔で言っていました。
参考までに洗濯機の粉せっけんの計量スプーンが30ccです。
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